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国际

世界福音、母の愛とフロンティア精神で

  • 国家 | アメリカ
  • 日期 | 2012年9月07日
世界福音、母の愛とフロンティア精神で

19世紀初めまで、北米の東海岸に定着していたヨーロッパの移民達は、簡単な荷物を載せる馬車を引いてミシシッピー川を越え、未知の世界でありチャンスの地、西部の荒野へと旅立ちました。寂寞とした土地を開拓する際に、金山が発見され、ゴールドラッシュ(Gold rush)が起きながら、産業は早く発展しました。

多くの歴史家と学者達は「フロンティア(Frontier)精神こそが、アメリカを強大国に導いた成長の源だ」と口をそろえます。恐れと不確実性に対抗し、西側に出て行った先駆者達がいなかったら、今日のアメリカは存在しなかったということです。

フロンティア精神で武装した開拓者達は現代にもいます。福音の光が未だ照らされていないアメリカのあちこちを回り、力いっぱい真理を証しし、エロヒム神様の栄光を宣布する新しい契約の働き手たちがその主人公です。

ⓒ 2012 WATV
雄大な計画より母の御言葉通りに

私がアメリカの南部フロリダ州のオーランドに来たのは2008年8月です。神様の御心に従って、3年間福音の協力者として働いたシカゴ教会とは違い、オーランドシオンではそれほど多くない家族が信仰を守っていました。私が来る少し前に与えられた広い神殿を満たすためには、すぐに福音に拍車をかけなければならなかったのですが、何をどのようにするべきか分からず、母に何度もお伺いを立てました。面倒に思われたでしょうに、母はいつも微笑まれながら、勇気が出る御言葉で激励してくださいました。母が何度も頼まれた御言葉は、一人一人の家族に愛をたくさん与えなさいということでした。

母のお申し付けどおり、家族達がしばらく教会に寄った時でも、神様の愛と天の家族の情を感じてから帰れるように努力しました。韓国語の家族という意味の言葉「シック(食口)」は、「共に食べる仲」という意味でしょう。おいしい食べ物があれば、量が少なくても分けて食べ、おかずがあまりなくても食事を共にし、よく対話をしました。そして、毎日会う家族も何年ぶりに会ったかのように喜んで迎えました。わざとそうしようとしたのではなく、家族達が来る度に、本当に嬉しかったのです。

よく知られているようにアメリカの社会は個人主義が強いです。オーランドの場合、住宅街の家が、ポツポツと離れているからか、近所同士の往来があまりなく、成人になって独立したら家族との関係にも距離が生じる場合が多いようです。独りで楽に暮らすように見えますが、必ずしもそうではありません。心配ごとを打ち明けて、一緒に悩んでくれる人がいなくて、独り苦悩することも多く、それだからか知らぬうちに愛と情を求める人たちが少なくありません。家族達は自分の話に耳を傾けてくれたり、小さいことにも気を使ってくれることに非常に感動しました。

初めは私の未熟な言行のために誤解が生じやしないかと、家族達にこちらから先に近づいていくのがためらわれることもありました。しかし、愛を与えようとする真心は文化や言語の壁を越えて、家族達の心にそのまま伝わり、母の愛を感じ、信仰が成長した家族達は、自分が受けた愛を職場でも家でもそのまま実践しました。その愛に心が開いた多くの人々がシオンに導かれました。真理を受け入れた方々が、家族に御言葉を伝えながら、疎遠になっていた家族関係が回復されもしました。母の御言葉どおり「愛」は万国共通語でした。

ⓒ 2012 WATV
福音のマスターキー

オーランドに来る時、周りから多く聞かされた言葉があります。オーランドが「バイブルベルト」地域だというのですが、バイブルベルト(Bible Belt)はアメリカの中南部から東南部の幾つもの州にまたがって宗教的つながりが強い地域という意味です。その中でもオーランドは、代表的なプロテスタントを基盤にした都市なので、自分の信仰について自負心を持っている方です。もしかして、真理に対する反対や妨害がきつくないか、心配がないわけではありませんでした。

神様の御計画はまさにここから始まりました。聖書をよく読み、平素から聖書の勉強会を持つことを好むここの人々は、聖書の御言葉を伝えると言えば、誰でも快く聞いてくれました。一度聖書を開ければ、何時間でも勉強が続きました。その上、すでに「聖書は神様の御言葉」として認識しているため、聖書がどんな本なのか、なぜ聖書の御言葉どおりに行わなければならないのか、長々と説明する必要がありませんでした。

もちろん、学んだ知識があるため、安息日や過越祭の真理を伝えたら、水を得た魚のように幅広い聖書の知識を引っ張りだして、真理に反論し、絶対自分の考えを曲げない人もたくさんいます。しかし、誰も異なる意見を出し得ない真理があります。それこそ天の母です。

聖書に天の母が証しされていると言えば、目を丸くして本当かと訊ねます。「何ですって?」と聞き返す場合もよくあります。「天の母」という言葉自体を聞いたことがないためです。反面「エロヒム」という単語は大部分知っているのですが、「エホバ」や「イエス」のような神様の名として間違った認識をしているので、エロヒムも本当の意味と天の母の存在を教えてあげたら、驚きながらうなずきます。「天の母は絶対にいない」と言い切る人も、聖書を開いて見せてあげると、何も言えなくなります。

数十年間安息日教会の教理を守って生きて来られたお年寄りがいます。ニューヨークで真理を受け入れた娘さんを通して、ご夫人と共にシオンに導かれた方なのですが、初めは非常に頑固でした。聖書の御言葉を見る度に、けちをつけようとしてすぐに質問を投げかけて来られました。少しずつ説明して差しあげても、理解できないと言われるばかりでした。ところが、天の母を悟ってからは完全に変わられました。掟はもちろんのこと、家族の宣教にも熱心で、オーランドで一緒に住んでいる娘さんとそのお婿さんに続き、ご親戚お2人まで新しい命へと導かれました。

天の母が成される驚くべき御業は、単にオーランドでだけ起きるのではないはずです。ヒンズー教が盛んなネパールでも、カトリックが深く根付いているヨーロッパや南米でも、儒教思想が強い韓国でも福音が稲妻のように早く伝えられているではありませんか。

一つの戸だけ開いたり閉じたりできるよう設計された鍵とは違い、どんな戸でも開けられる鍵をマスターキーと言います。天の母の真理は、それこそ全世界の人々の心の戸を開けてくれる福音のマスターキーです。

ⓒ 2012 WATV
私のものさしを捨てる時見える物

アメリカに来て驚いたことのうちの一つが、強大国なので当然人々が皆豊かで余裕ある生活をしていると思ったのに、現実はかなり違うということでした。特に前にいたシカゴは、天にそびえる摩天楼が成功の象徴のようにみなされる都市です。そこでアメリカ人たちを見ながら、本当に潤いのない生活だなと感じたのですが、世界的に有名なディズニーランドがあり、観光都市として広く知られているここオーランドも大きな違いはありませんでした。

昼、住宅街に行ってみると、家には誰もいず、人に会うのが大変なほど、多くの人々は朝早く仕事をし始め、夜まで仕事について、めまぐるしい日々を過ごしています。2~3つの仕事をしている人もかなり多いです。疲れて夜、家に帰ってくると、早く寝床に入ろうとします。夜9時には店が閉まり、道の灯りは皆消えます。

それにもかかわらず、家族達は皆同様に福音に献身的です。仕事が遅く終わっても、必ず教会に来て聖書の御言葉を1章でも調べて帰ります。ある人は職場からシオンまで2時間もかかるのに、毎日運転してシオンに通っています。

家族達の熱意は休みの日にも冷めることはありません。休日を純金のような宣教のチャンスだと考えて、シオンに集まります。昼は熱心に宣教し、夜も遅くまで聖書の発表をしたり恵み深いシオンの香りを分け合います。皆の心には天国の希望しかないようです。「一体いつ休むのか」と思うほど、皆熱心です。

このように大変な状況の中でも熱心に頑張る美しい家族達なのに、ある期間は初めの愛を忘れ、家族の欠けている点がよく目に付く時がありました。いつも母の御心を思い、母の御言葉どおりに実践すると言いながらも、相変わらず自分の考えを捨てられなかったのです。お互いにかけ離れた文化圏で生きて来たので、当然考え方が違うはずだという点を考慮せず、「なぜあのようにするのか、なぜこのようにしないのか」と、私の立場で立てた基準で家族を判断しました。家族は自分なりに最善を尽くしているのに、理解できず、私の考えに従うことだけを要求し、私と異なる点は直すように頼みました。

家族のホコリのような一つの咎―実は咎でもなくただ私と異なる点だったがーに先立ち「私の目の丸太」を見るまで、本当に長い時間がかかりました。母が待ってくださったことと、私の咎を包んでくれた家族達の愛がなかったら、私は今も悟れずにいたかも知れませんでした。先入観を排除し、間違ったものさしを収めると、欠けているように見えた家族達から、恐れを知らない開拓者の気概が感じられました。私が知り得なかっただけで、家族達は私がアメリカに初めて来た時も、今も、真にアメリカの福音を掘り起こすために身を献げる福音の開拓者達でした。

開拓者の訪れを待つチャンスの地

2000年前、五旬祭の聖霊を受けた使徒たちはエルサレムの垣根を越え、ヨーロッパへ、世界へと福音を宣教しました。仮庵祭の時代、春の雨の聖霊を満ち溢れるほど降された今日、アメリカでもそのような祝福の御業が再現されています。

今までアメリカに福音が迅速に宣教されたのには、アメリカの家族達の開拓精神を目覚ます韓国の宣教団の助けが大きかったといえます。地球の反対側まで飛んで来て、言葉も話せず文化も知らない悪条件の中で、短期宣教団が熱く福音を宣教する間、あちこちにハウスチャーチが建てられ、家族達が見つかりました。現地の家族達も短期宣教団と共にいながら、神様の権能を体験し、信仰が成長しました。そうする中、フロリダ州の多くの都市に福音の種が蒔かれて、現在オーランドとマイアミにそれぞれ2ケ所のシオンがあり、ジャクソンビルでもハウスチャーチが運営されています。その他、ハウスチャーチが建てられる予定の都市が多くあります。

今は家族達が自ら福音を開拓していこうと努力しています。今年の夏にはテンパという都市に短期宣教に行く予定ですが、オーランドシオンの家族達が初めて準備する自主短期宣教です。家族達の期待がどれだけ大きいか知れません。毎日シオンに来たら、短期宣教の計画がどのように進行されているか一番最初に訊ねます。

家族達が短期宣教をするのに心がせくのには理由があります。家族や親戚を通して真理を受け入れはしたが、シオンがなくて一人であるいは二人で信仰を守る方達の数がかなり多いからです。その家族達が住んでいる都市に、一日でも早くシオンを建てたくて、皆気がはやるのです。近隣都市にシオンが皆建設されたら、フロリダ州の境界を越え、未知の世界、チャンスの地に駆けて行く計画を立てています。

オーランドだけではなく、アメリカの全域で福音の働き手たちが19世紀初めの開拓者達のようにフロンティア精神で、武装し、東に、西に福音の未開拓地に向かって駆けていっています。近隣のジャクソンビルのハウスチャーチを運営する家族は、フロリダの正反対側に位置するサンディエゴから来られた方です。以前は働き手が足りなかったのですが、今は福音に身を献げる働き手が多く、四方から祝福を力ずくで早く奪おうと襲ってきています。

福音の熱気がとても熱くて、もじもじしていたら祝福をみんな取り逃がしてしまうかもと恐れさえ感じるほどです。このように堂々と熱意に溢れる心を持った家族達と共にいながら、福音に身を献げられる機会をくださったエロヒム神様に感謝をささげます。

昨年の定期総会の時が思い出されます。母は、全ての事には言うまでもなく、聖書の発表をする時も、家族が一つ一つの句に神様の愛と犠牲が感じられるようにしてくださいとお願いされました。昨年だけではなく、初めから今まで母が変わらず頼まれ、模範を示してくださったのは愛でした。母の御言葉を胸に刻み、福音に臨みながら真に多くのことを学びました。

誰にでもそうでしょうが、福音の使命は自分自身を生まれ変わらせる過程だということを、最近になり切実に感じます。いつも家族達に勉強を教えますが、私が何かを教えるというより、共に学ぶ気分です。愛が足りない私がここで悟り、変わらなければならない部分があるから、ここに遣わしてくださって、愛に溢れ御恵み深い家族達に会わせてくださったのだと思います。

その御心を忘れずに、いつも家族達とお互いに仕え合い、愛しながら、福音の未開拓地に向かい進軍するオーランド教会になれるよう努力します。母の愛により、シオンの旗がアメリカと全世界ではためくその日が来るまで、天の家族全員が聖霊の祝福をあふれるように受けられるよう望みます。
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